新・越後郷土菓子「えごおきな」
海海のめぐみ「えご」と、大地の恵み「米飴」。 ふたつの古くからの越後の産物で新しい郷土菓子をつくりました。 「えごおきな」の名には、深い理由があります。 「 えご 」は海藻のえご草からつくります。 博多の「おきゅうと」、京都の「うご」、能登の「えご」、佐渡の「いごねり」 と 日本海側にえごの食文化がひろくあります。 新潟県では特にハレの日には欠かせないものでした。 そして、江戸時代にはすでに名物として、越後高田を中心に「粟飴」がありました。 粟飴といいながらもち米からつくった「米飴」で、おいしさが評判に。 十辺舎一句の『金の草鞋』にも高田の飴屋高橋孫左衛門の店頭が描かれています。 『諸国道中金の草鞋』18 十返舎一九 早稲田大学図書館蔵 店の中では、飴をわっぱに詰めているところです。 「えごおきな」も曲げわっぱに入れたのは、粟飴(米飴)にあやかりました。 この高田の名菓に、米飴を寒天を合わせた「翁飴」があります。 寝かすうち、寒天が飴と馴染み、まるで飴がひとりで固まったような菓子になります。 寒天は菓子に使われる時、相手を生かす存在です。 その「寒天」を「えご」に替えたらどうだろう というのが最初の思いつきでした。 砂糖も、寒天も、使わない、 砂糖以前の古来の菓子文化の系譜につながる菓子です。 「えごおきな」ができるまでのお話はまたそのうちに。 facebookページ 「えごおきな」 で最新情報をご覧いただけます。