高岡で第十二回「山町筋の天神様祭」2

富山県高岡市の「山町筋の天神様祭」は12回目。
今年は1月19日、20日に行われた。
柏崎の「天神さま街道」の見学と合わせて、出かけてみた。

高岡には、加賀藩第二代藩主である、前田利長を祀る
国宝瑞龍寺があり、高山右近が設計したとされる高岡城跡もある。
瑞龍寺については、「いとおかし*高岡瑞龍寺の一つやいと」のページでも。

加賀藩本藩の金沢のほうでは、武家や商家などの旧家にみられる
「天神堂」が高岡の旧家にも伝わっている。
写真は、蔵にしまわれていた時期が長く、比較的きれいに保存されている
若森家の天神堂。
天神堂は組み立て式なので、下部の箱におさまるようになっている。
まるでドールハウスのセットのようだ。


12月25日に飾り、1月25日まで天神さまと一緒に過ごす。
正月の神さまでもある天神さまには、立派な鏡餅がお供えされる。
25日には、鏡餅も下ろし、小豆粥、お汁粉などにして食べたという。
立派な木像の天神さまも多く見られた。寺院彫刻や菓子木型の歴史とも
深くかかわる井波も近く、最近は井波製の天神が人気のようだ。

これらの土人形のセットは、天神堂に配されたのだろうか?
この土人形は、今年のポスターともなっている。
もしこの土人形を配置したとしたら、かなり大きな天神堂であったと思われる。

金沢の諸江屋さん一軒しかつくられていない「福徳」も、
以前はありこちでつくっていたという。
俵などのかたちの餅種の中に、土人形や金花糖がはいっているのだが、
その土人形と、天神堂のパーツに似たモチーフがあり、興味を持っている。
この点については、「いとおかし*天神堂遊び」で詳しく。

天神堂には、狛犬の他に、お稲荷さんの狐も欠かせない。
「福徳」にも入っている。今回うかがった柏崎のお宅でも見かけた。
小正月の五穀豊穣を祈るまゆだまが飾られる時期、同じ空間に
天神さまもいらっしゃるわけで、天神さまが作(農耕)の神、天の神であることが
ふさわしい光景とも言え、稲荷信仰とも馴染んでしまう民間信仰の
おもしろさが感じられる。

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